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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第17章 巽の本気
◇
「…………」
今日は巽さんが迎えに来る日。でもタイムラグがあり、私は聖さんの部屋で待機中。仕事をする聖さんを見ていると、どうしても頭に浮かぶのは……朝陽。
(……聞いちゃダメかな?)
疑問に答えが欲しい。
朝陽が言わないのなら、聖さんが答えを持っているんじゃないか? 私の心の中は、そのことでいっぱい。
「……奏多、奏多?」
「…………え? は、はいっ!?」
やだ、聖さんに呼びかけられていたのも気づかずに、考えに没頭していたみたい。
「なにかあったのかい?」
「……なにか……」
「ずっと考えるような暗い顔をしているから。僕としては心配だよ」
「…………」
「奏多?」
聞いても……いいのだろうか? 朝陽が言えないといったのに、聖さんに聞くなんて。……なんとなくズルいとは思うけど、気になって、気になって、気になって、仕方がないの!
「……朝、同僚と話をしていて、聖さんの話になったんです」
ダメ……。
「前の飲み会の時に、同僚がこう言ったの、『理不尽……。聖って、いつもそう』……と」
ダメ…………。
「聖さんは……金森朝陽と、どういう関係なんですか?」
ダメーー!!!!
「朝陽と、そういう関係なの?」
言ってしまった……。
一度口から飛び出したものは、元に戻ることを知らず。私の話を聞いた聖さんも、少し渋い顔をしている。……やっぱり知っているんだ、聖さんを見れば分かるよ、朝陽を知っているか、それ以上の関係だって。