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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第17章 巽の本気
「ゆったりとした……か」
「???」
「いや、聖に言われたんだよ、『ゆったりとした場所』ってな。あんなこともあったんだ、本当にゆったりしたくなった」
「どこか決めたの?」
「ああ、俺が気に入っている場所だ」
決まってからは、車は迷いなく走る。街から離れるわけではないんだけど、着いたのはドーム型の建物がある場所。
「ここは?」
「入れば分かる。行くぞ奏多」
「うん」
なにかの施設だとは思うよ。だけど入ってすぐになにか解った。この雰囲気は一つしかないもの。
「……プラネタリウム」
「あぁ。たまに一人で来る。星を見るのが好きなんだよ」
「私は初めてかも」
「ここは見方が特殊なんだ。満天の星空を独り占め……いや、今日は二人だ奏多とな」
屋内に入れば、普通の座席タイプの前に座るのか寝転がるのか、変わったカップルシートがある。巽さんが選んだのもこの場所で、二人で一つのフカフカなスペースに座った。
「田舎で寝転がりながら、灯り一つない草むらで星空を眺めるってのがあるが、それを再現した感じと言えばいいのか? 寝転がりながら星が見れる特等席さ」
「こんなのもあるんだね」
「知ってから気になり、来てからはハマった。なにも考えずに星を眺めるのが気持ちいい」
そろそろ開始のか室内が真っ暗に変わる。そして始まる星空のショー。一面に写し出される大小様々な無数の星たち。その迫力に私は空を見上げていたら、巽さんに押し倒されたの。