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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第17章 巽の本気

「こうやって見るものだ」
「ひゃ!?」

押し倒されたけど、巽さんは私を抱き込むように隣に寝転がる。途端に薫る爽やかな香りと星空が凄くマッチしているの。……先ほどのことが嘘のように凄く落ち着く、この雰囲気と温もりに眠たくなるくらい。

「……いいもんだろ?」
「うん。連れて来てくれて、ありがとう巽さん」
「ゆったりと出来ればそれでいい」
「綺麗で、幻想的で、眠ってしまいたいくらい。ずっと見ていたいね」
「あぁ、そうだな」

星空の光に照されて、見える巽さんの瞳。光の反射で澄んだ宝石みたいなの。じっと星を眺め動かないその体に、もう少しだけ寄り添っていい?
身動ぎするように巽さんに近づけば、巽さんの腕が私の腰に回って来る。至近距離でもっと香りが強くなるのが心地いい、巽さんの温もりがあたたかい、思わず胸にすり寄るようにしたいと思うのは私だけ?

「あまり煽るなよ……キスするぞ?」
「え……こんな場所で」
「暗いから誰にも見えない」
「……ぁ……」
「こうして触れるだけでもいいな」
「……うん……」

見た目より広い胸の中で、触れるだけのキスを受ける。男性なのに柔らかい唇、少し触れ合えば離れ、また唇を重ねる。
まるで星空と同じだね、私たちを照らす光のように、巽さんの唇は私を照らすよう。俺様のようなのに優しい巽さんのキスは好き。私を隠すようにしてキスする気づかいの中、ショーが終わるまで、私と巽さんは甘いキスを繰り返していた。

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