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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第17章 巽の本気

(もっと知りたいと思う)

趣味とか、社内での話とか、その……昔のこととか。聖さんより共通の話が少ない巽さん、知りたいと思うのはいけないこと?

「なに考えごとしてんだ?」
「……え?」
「それだから、ほら……口に付いてるぞ」
「!?」

巽さんの手が私のほうに伸びて来て、口端を親指で拭き、なにかを摘ままれた?

「子供じゃないだろ?」
「……あ……」

拭った親指をペロリの舐め、摘まんだ……バーガーのバンズを食べちゃったの! それを見ていた私は、流石に恥ずかしくて動揺中。……まさか、そんな行動をするとは思わないもの。

「?
どうした、顔が真っ赤だが?」
「た、巽さん、それは恥ずかしいです」
「もっと恥ずかしいことを沢山しただろ?」
「今……言いますか?」
「事実だからな。別段隠すことでもない」

公衆面前で言い切られても……。更に恥ずかしくなって、顔すら上げれない私。……ここで言わなくてもいいじゃない。

「あの、確かにそうですけど、場所は考えて欲しいな……って」
「ん? あぁ悪い。あまり気にしないのが俺だからなぁ」
「私は気にします」

もう! 恥ずかしくて、恥ずかしくて、消えてしまいたいくらい。周りが居るのに、いかにもしました発言は、ちょっと無理だよ。
飾らない巽さんは、こんな反作用もあるんだ。

(……でも、自分の感情に素直な人)

気を使うことも、自分の意思も、怒ることも笑うことも、全てストレート。あまりにも隠さないから、一緒に居て居心地がいいとさえ思ってしまいそう。

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