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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第19章 奏多の本気
三科さんは数日の出社停止、朝陽も前と同じく話してくれるようになり、漸く普通に戻った日常。ずっと続かないのは理解しているけど、ここのところ色々変わってしまった私としては、束の間でも落ち着ける時間は欲しい。
「今日は何回……あー居なかったんだ」
「だね。たまにはいいんじゃない?」
「ずっと居なくていいわよ」
「そうだけど……。営業成績は上なんでしょう?」
「新人ではトップって聞いているけど、裏表ある陰険悪質は嫌いだわ」
「確かに……」
私も関わっているので、あまり口出し出来ない。多分朝陽は気づいてる、そんな気はするけれど敢えて聞かないの。自分でそう決めたから。
「週明けなのに今日は暇よねー」
「そんな日もあるんじゃない?」
「受付が忙しくないと、会社全体が暇ってことじゃん。あ、営業から一人消えてるせいもあるか」
「取りつぎは営業が一番多いから。でも、ある程度繋がりを持っている人は、受付を通さずに直接交渉だもの」
「新人にそれはむーりー」
「結局そこに行き着くわけね朝陽?」
「居ないうちに苛めたいじゃん!」
すっかりと、いつものノリに戻ってくれた朝陽。私としても朝陽とこうして軽口を言っているほうがいい。周りは少し悪意があるもの。聖さんとの噂がね、どうしても消えなくて、そこそこに苦労はしているのよ。巽さんには言わなかったけど。
「今日の昼も近くの公園かな?」
「まだダメかぁ。私も付き合うよ奏多」
「コンビニに寄ってからでしょう?」