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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第19章 奏多の本気
こうして、何気ないことを朝陽と話しているのは楽しい。まるでプチ女子会気分って言うのかな? 大した話題じゃないのに盛り上がれる、そんな気さくな会話は好き。……近頃はあまり出来ないもの。
「……早く……終わればいいわね」
「……え?」
「今のこと。終わったらまた飲み会に行こう、合コンに行こう。暗い奏多は奏多じゃないわ」
「……そう……だね……」
「めっちゃ好条件を設定してあげるー!」
終わるのかな?
聖さんのこと。
巽さんのこと。
三科さんのこと。
社内の噂のこと。
沢山のことが一度に来て、私はまだどれから整理していいのか分からずにいる。
いっそのこと、私が会社を辞めて違う場所に行けば、みんな諦めてくれるんじゃないかまで考えたよ。でもそれは逃げるだけって気づいた時、私はその考えを捨てた。
「終わればいいね。そうしたら休日に朝陽と遊びに行きたいな」
「私とぉー!
よしよし、朝陽ちゃんに任せなさい、取っておきの場所に連れて行くから」
「うん、期待してるよ朝陽」
外で少し肌寒いけど、とても楽しい昼食タイム。この時間くらいしか好きなことは言えない、それが分かっているから無理してでも騒ぎたいの。いくらなんでも、聖さんにこんなことは言えないでしょう?
「食べたし戻ろう」
「えー! まだ昼休み時間あるしー」
「朝陽と違って、戻ってから化粧直しの時間も必要じゃない」
「私って……なによー!」
それに笑いながら、今は社内より居心地がいい公園を、朝陽と二人で後にした。