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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第19章 奏多の本気

「品定めにも色々あるわ。あんたみたいのを弾くのも品定めのうち。勘違い男くらい質の悪いものはないわよね」
「ちっ、一々うるさい女だな。女は男の下でアンアン鳴いていればいいんだよ! どうせマグロで自分から動かない女のくせに」
「ちょ……本気で腹立つわ!」
「お前に用はないんだよ金森、用があるのは夏目さんのほうだ。しおらしく俺に付いて来いよ、可愛がってやるぜ?」
「……嫌よ。
聞けば聞くほど、三科さんあなたとは合わない。早くどこかに行ってよ!」
「警備を呼ばれたくなければ、サッサと帰ってよね!!」
「あぁ、帰ってやるよ……夏目さんを連れてな!」

その時、三科さんがポケットから手を出したの。でもその手に握っているのは……小型ナイフ……。

「っっ! 奏多っ!!」
「!?」

取り出した途端に、三科さんは私に向かって走る!
受付カウンターを飛び越え、私にナイフを突きつけようと……。
でも、ナイフは私に届くことは……無かった。
だって朝陽が私を庇うように抱き締めながら体当たりし、私と朝陽は床に転がるように倒れたせい。

「……大丈夫奏多!?」
「だ、大丈夫……」
「なんで避けやがるっ!」

それでもなお、朝陽を引き剥がしてまで私を捕まえようとする三科さん。
だけど朝陽が素早く起き上がって……。

「ふざけんなっっ!!」
「!? ぐはっ!!」

凄い勢いで三科さんの頬を殴り、三科さんを向こう側にぶっ飛ばしたの!!

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