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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第20章 ほんとのこと

「化粧でもこれだけは隠せない、散々悩んだ挙げ句に決めたのが……あれ。俺自身も驚いた、ここまで完璧な女に仕上がるなんてな」
「着痩せするし細いから。今は背の高い女性は沢山居るもの、違和感なんてない」
「そうか。少々惜しいな」
「やればいいのに……」
「バレると照れくさい」
「私は気にしないよ。私のためと言ってくれたから、たとえ巽さんであっても、朝陽は朝陽だと思う」
「知って、そう言ってくれるのか?」
「朝陽も巽さんも好きだから」
私のほうから巽さんに近寄って、喉仏にキスをした。巽さんが巽さんである証、朝陽になりきろうと巽さんが隠していた場所。
「……奏多……」
「いや……だった?」
「そんなことはない。
俺を……受け入れてくれるのか奏多?」
「こんなにして貰ったら、私のほうが敵わないじゃない、巽さんの想いに敵わないでしょう」
「奏多……」
怪我をしていないほうの腕が私のほうに延びてきて、頬を優しく撫でてくれる。
でも、ちょっと待って! 巽さんの手が異常なほど熱いの!!
「巽さん、熱を計らせて!!」
「ん? なんか変か?」
「いいから、体温計は……」
もう一度救急箱の中を探して、見つけた体温計で巽さんの熱を計ってみれば……。
「39度! やっぱり傷から熱が出たんだね」
「……そんなにあったのか」
「解熱剤と……冷す物。後はベッドで安静にして?」
「まるで看護婦の言い分」
「いいから!」
座る巽さんを無理やり引きずりベッドに寝かせ、一番最初に解熱剤は飲ませたよ。

