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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第20章 ほんとのこと

「冷す物……冷す物……」

本気で勝手が分からないキッチンで、冷やせそうな物がないかを物色。人を家を荒らすような真似だけど、今は許してね。
冷凍庫の隅にあったアイスノンと氷、後タオルは……脱衣所で見たよ! 袋に詰めた氷をタオルで包み……これでいいかな?
出来上がった物を持って寝室に戻れば、巽さんはボーっとしている感じ。やっぱり熱で意識がはっきりしていないんだ。じゃあ、今まで無理していたの?

「巽さん、冷やそう?」
「……ああ……」

頭にはアイスノン、腕には作ったタオル、それにおでこにもタオルを乗せて、後は本当に様子を見るしか私には出来ない。

「……痛みは?」
「痛くないと言えば嘘になる」
「解熱剤は消炎作用もあるはずだから、薬が効いているうちに眠ったほうがいいと思う」
「……なぁ……」
「??」
「一緒に寝てくれたほうが……いい」
「……え?」

これって……熱と痛みで心細いってことだよね?
やましい理由でもないし、広いベッドの隅にお邪魔することにしてみた。

「ついでだから、服を脱いでくれたほうが俺は嬉しいが?」
「ぬ、脱ぐの?」
「今更だろ?」
「うーん……」

ベッドの中で私はゴソゴソと服は脱いだよ。流石に下着まではね脱がなかったけど。そうしたら巽さんが人恋しいように私にくっついて来る。発熱で上がった熱い体が気持ちいいなんて……。

「奏多の体、冷たくて心地いい」
「それは巽さんのほうが、熱あるもの」
「こういうのはいいな」

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