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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第20章 ほんとのこと

◇
朝、私のほうが先に目が覚めた。先ずは巽さんの体温チェック。
「よかった、少しずつだけど下がってる」
まだ平熱ではないけれど、確実に下がっているから、傷が化膿する可能性も低くなるでしょう? まだ解熱鎮痛剤は必要、でも少しだけ安心出来るよ。
次に温くなったタオルとかを取り替えて……あぁ、この時点で巽さんが目を覚ましてしまった。
「お、おはよう」
「あぁ、おはよう。随分と朝から意欲的に動いているな?」
「必要なことをやっていただけだから。そう、朝ごはん食べられる?」
「そういやぁ、昨日はなにも食べずに寝ちまったか」
「お昼のサンドイッチとサラダだけ」
「あれは本当にカロリーコントロールだ。……流石に腹は減るぞ?」
楽になったのか、巽さんの口調も元通り。そして私も……巽さんだと気を使うのを止めたの。どうせ朝陽で知られているんだから、素の私でもよくない?
「じゃあ、朝ごはん作るから。その後に包帯を取り替えよ?」
「……ああ……」
別の意味で脱力している巽さんを置いて、私は昨日見たキッチンに立つ。
色々探したせいでね、それなりに食材があることに気づいたのよ。私のマンションと同じで、定期的に食材を補充するようにしているのかな?
(なに作ろう?)
怪我人であって風邪とかではないから、普通に物は食べられると思う。和? 洋? どっちだろう?
(……私のお弁当をよく見ていたよね)
うん決めた。朝からしっかり和にしよう!

