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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第20章 ほんとのこと

だし巻き卵に焼き魚、味噌汁とおつけもの、それに意外に簡単に出来る切り干し大根。もう一品くらい作る? ほうれん草の胡麻和えも捨てがたい。
「どれだけ作るんだ?」
「え? 寝ていなくて大丈夫なの?」
「昨日よりは楽だからな、寝ているより起きて動いているほうがいい」
「そう。ご飯が炊き上がるまでに、もう一品作ろうかなって」
「毎朝こんなにか?」
「流石に毎朝は……。
でも、納豆と味噌汁は欠かしません」
「……納豆……」
あれ? 巽さんもの凄く渋い顔して……もしかして納豆が苦手?
「まさか……」
「納豆は食わんな。ありゃ人の食べ物か?」
「栄養的には効率いいのに」
「嫌いな物だってあるだろ」
「私は殆どないかも」
「マジかよ……」
話ながら、やっぱりもう一品作っちゃった。タイミングよくご飯も炊き上がり、少し遅めの朝ごはん。いつもはほら、食べながら弁当を作りながらだもん。
「ほー。このだし巻き卵旨い」
「好みが分からないから、スタンダードにはしてみたけど」
「相変わらずバランス取ってるよな」
「普通です」
久し振りに、ゆっくりとした朝ごはん。だけど思い出したよ、今日は普通に出勤日だって。今から着替えを取りに行く? それは間に合わないんじゃない?
「仕事どうしよう……」
「あぁ、平日だったな。俺…というか朝陽は怪我休養だろうが、奏多はどうなんだろう。なんとなく聖が動いている気もするが」
「そんな呑気な……」
「心配ないと思うぞ?」

