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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第22章 どちらを選ぶ?
(昨日、連絡は来なかった)
聖のこと、あの騒ぎの一部始終は知っているはず。だというのに連絡は無し。奏多と一緒に帰ったのを知られたか、単に怪我を負った俺を気づかったか、どちらなんだろうな。
(連絡が来なければ、後で俺から入れるが)
さて、どう話してよいものなのか? 金森朝陽のことがバレたのは言わなければならないだろう。だが、奏多が俺の家に居ることは?
(バレた時点で感づくか……)
奏多を俺の家に近づけさせなかったのは、朝陽の秘密を隠すため。そりゃそうだろ、この家の中には女物が沢山あるんだ、見られたらあまりにも不自然、そう思って避けていた。
(もう理由もなくなったが、これからどうするべきか)
バレると、朝陽をやるのは照れくさいんだよ! あれにどれだけの時間をついたやしたと思う? 新卒説明会からだから……半年近くになるのか。その間、そっち系の店で修行がてら働いたさ、何事も実践のほうが身につくんでな。
大丈夫とお墨付きを貰い、会社に金森朝陽として登録。その期間に必要な物を全て揃え、入社式にいたるのが今までの経緯。……裏で散々苦労してんだ!
(それでも、バレてまで朝陽をやるには抵抗がある)
聖は『よくやる』と笑ってたな。俺だって笑いたいさ。よく出来たよな、能天気な性格の朝陽を。それも奏多が居たから……つられるように朝陽をしていたとは思う。
気さくに話す毎日は、俺にとって新鮮だった。素知らぬ顔で受付に立ち、裏では危なくなさそうな飲み会セッテング。合コンも女子会もみんな俺の差し金。