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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第22章 どちらを選ぶ?
奏多はコーヒーを淹れにキッチンへと行っちまった。思った以上に動く奏多を横目で見ながら、俺は昨日テーブルの上に置いた変声機を手に取ってみた。
(ヤバいな、あんな使い方をしたせいで壊れてやがる)
小型というか、シート形の変声機。色々と探し、一番目立たず尚且つ高性能と選んだのがこれ。分からないほど声を変えてはくれるが、縛って力を加えたり落としたりするのには対応していない。
(仕方がなかったとはいえ、これが壊れるのは痛いな)
ネットで再発注は可能だが、商品が来るまで暫くかかる。こだわりのオーダーメイド品だからな、発注してから作るんだ遅くもなるんだよ。
やるかどうかは分からんが、暫く朝陽は出来ない。怪我という事実があるので、暫く休んでも文句は出ないと俺は踏んでいる。
(早いところ再発注しておくか)
この時間だと、発注すればすぐに取りかかってくれるだろう。痛む左腕を押さえて、俺は別部屋にあるパソコンへと向かいに歩く。
「どうしたの?」
「多少の野暮用。パソコンが向こうの部屋なんだよ」
「そっちにコーヒーを持って行っていいの?」
「見られて困るもんじゃない」
「そう……」
寝室とリビングを向かい合わせにした場所に、後数部屋あるんだ。仕事用となにも使っていない部屋だが、俺は仕事用の部屋へと入る。
(とにかく、仕事関係だけはダウンさせておくか)
聖の手伝いとは言っているが、中には不味いものも存在。繋ぎっ放しの回線を切り、普通のネット画面に切り替えた。そこから目的のサイトにアクセス……あぁ、まだ受注はしている、それに少しだけ安心しながら、再発注の項目を探してゆく。