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第23章 作戦会議IN……

「……決められないか？」
「…………。
決めてしまったら、片方に悲しい思いをさせてしまう、それが嫌なの」
「それは始めから分かってることだ。奏多のせいじゃない」
「知れば知るほど、巽さんも聖さんも本気って理解してる。だからこそ、選ぶのが怖かったのかも知れない」
「本気とケジメは違うぞ奏多。確かに俺たちのどちらも奏多に本気だ、互いに譲らないほどにはな。だが、選ばれなかったと、妬みや悲しむことはしない。普通に戻るだけなんだ、こうして仲良く話す程度の関係になるだけだな」
「兄弟だもの」
「あぁ、兄弟だからだ」

そんな風に考えていたなんて……。逆に私のほうが言葉がないよ。選ばれなかったら潔く引き下がる、巽さんはそう言っているわけでしょう？

（巽さんも、聖さんも……）

いきなり私の心に入って来て、心の中に居場所を作り、私の心は二人で占められているというのに、そんなことを言うんだね。
私が巽さんを選んだとしても、心の中の炎は消えないよ。……本当は二人とも大好きだから。

「もう一つのほうは、聖から少し聞いている。親父……社長が動く気配があるらしい。近く俺と聖、そして奏多も一緒に呼ぶらしい」
「……えぇー！？」
「驚かれてもな……。あれで俺たちの親父なんだ、なぜ呼ぶのかまでは理由は分からんが、話を蹴るわけにもいかないんだよ」
「社長に呼ばれるなんて……。特に私、色々と余計なことを呼び込んでいるし」
「ない……と言ったら嘘になるだろ？　三科のことや、社内での噂、社長の耳に入っても何らおかしくもないからな」