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第23章 作戦会議IN……

「……一つ……聞いてもいいですか？」
「なんだ？」
「構わないよ」

どう……切り出したらいいのだろう。二人の心を聞くことになるんだから、私のほうが言葉を選ばなければ、どちらも傷つけることになってしまう。だけど聞かずにいられないこの想い。

「私が選んだとして、巽さん、聖さん、平気なんですか？　選ばれなかったと傷つくことになりませんか？　巽さんはああ言いましたけど、本当にそれで済みますか？」
「潔く引き下がるの話か」
「約束したからね」
「それは約束であって、本当の心のうちではない。私はそうも思うんです」
「奏多、それは……」
「心の中まではなぁ……。整理がつくまで、暫くかかりはするだろうよ」
「私はそれが心配なんです、傷ついて欲しくないもの」

私の本音を言うだけ言った。それに対して巽さんと聖さんは、顔を見合わせて渋い表情。……私だったら納得出来ない、好きな人が違う人を選ぶなんて。……そう、短大時代の私のように……。

「経験があるんです。好きだと思っていた人が、私に愛想を尽かせて違う女性へと行ってしまったことが……。私と同じ思いはして欲しくないんです」
「……奏多……」
「それは奏多のせいじゃないだろ。勝手に別の女を作って、奏多を捨てただけじゃないか」
「でも私が選んだら、同じことになりませんか？」

巽さんを選んでしまったら、私は聖さんを捨てることになるでしょう。社内の噂のように、『物珍しさで聖様は構っているだけ』、それが現実になりそうで……。勿論、聖さんがそんな人じゃないのは、私も理解してるよ。