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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第24章 最後の……過ち

「……ここ……」
「そう。仕事で遅くなる時は殆どこっちだね」
「駐車場から豪華」
「セキュリティーや利便性を考えたら、このマンションが最適だっただけの話。……行こう奏多」
「……はい」

誘われるように、駐車場から中央エントランスへ。まるでホテルがそのままあるような内装。私のマンションでさえ豪華過ぎると思ったのに、まるで別世界に来ている気分。
聖さんはフロントに寄り、郵便物を受け取ってからエレベーターに向かう。

「奏多こっち」
「え?」

複数あるエレベーターの一番奥まで移動し、聖さんはカードをかざす。それにしてもエレベーターが多いと思ってしまうのは私だけ?

「一定階層より上は、一フロアー一世帯なんだよ。だから玄関もかねるので専用エレベーター付きなんだよね」
「はぁ……」

最早ため息しか出ない私。普通感覚では考えられない仕様に、早くも付いていけない感じがしてきたよ。
エレベーターに乗り込み……ボタンは一つだけ。ドンドンと階が登る表示を見ながら、聖さんの家って何階なんだろうと考えてしまうのは、私が普通過ぎるから?
止まったのは四十楷。確かこのマンションは四十楷建てだから最上階!?

(これは巽さんでも言うわ)

比喩や嫌みではなく、本当に広くて豪華な場所に住んでいたなんて……。聖さん感覚では普通なの?
エレベーターから降りれば、すぐに玄関フロアー。これだけで、前の私のアパート何個分よ? そんな広すぎる玄関を抜けて、聖さんの家にお邪魔。

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