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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第24章 最後の……過ち
啄むように重なるように変化するキス、聖さんの心が籠った優しいキス。本当に心から求める時、人はこんなにも穏やかになれるんだね。
「奏多」
「聖さん……」
言葉なんて要らない、必要なのは互いの唇の感触、触れ合い慈しむ心、包まれるぬくもり。上着すら脱ぐのを忘れ、キスに夢中になる私たち。最後と分かっているだけに、唇を離せられないの。
「……もっと」
「奏多……。僕ももっと奏多に触れていたい」
「私も……。今だけは聖さんに触れていたいの」
「……っ!」
唇を強く押しつけられ、漸く聖さんの舌が私の舌を捕らえた。舌先が私の舌の形を確かめるように動く中、繊細で大きな手が、頬や耳をくすぐるように撫でてくれる。その触れかたが凄く心地いい。
「ん……」
「キスだけでも気持ちいいよ」
「私も……」
「でもね」
「??」
唇が離れたと思ったら、着ていた上着と鞄を脱ぎ落とされ、聖さんも上着だけを脱ぎ捨て、私の膝裏を持ち抱き上げて、違う部屋に移動するために歩き始める。
「こ、これって、お姫様抱っこ」
「ん? 嫌い?」
「嫌いじゃ……ないです……」
お姫様抱っこは女性の夢だよ聖さん。みんな一度はこんな風に抱っこされたいと思っているんだよ。実際にされた私は、落ちるのが心配で聖さんの首に腕を回してしがみついているけれど、このマンションの雰囲気と合わせて、本当にお姫様になったような気分。
広いリビングを通り、聖さんが入った部屋はメインベッドルームかな?
キングサイズのベッドと、入れば自動で照らされる、暖色毛の間接照明が凄いお洒落。