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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第24章 最後の……過ち
「今日の服装は、まるでこの部屋に合わせたような服だね」
「こ、これは借り物で……」
「借り物? あぁ、でも凄く似合うよ奏多」
これ朝陽の服。それを勝手にコーデして借りてきたやつ。
グレーと白のロング丈ニットセーターと、白のミニスカート、それにシンプルなトレンチコートに、靴だけは合わないから元々履いていた仕事用の中ヒール……これだけ。
だって朝陽の外着って、体型を隠すものばかり。そりゃ分かるけど、選んで合わせるのが凄く苦労したのよ。
「いい趣味だね、組み合わせが上手い」
「そうかな?」
「男心をそそる感じが……ね」
「あっ……んっ……」
中央にあるベッドに降ろされ、また唇が触れ合う。見上げると、瞳を細めた聖さんの綺麗な顔が目の前にあって、何度もこうしているのに、私の頬がみるみる高揚していくみたい。
「……恥ずかしい?」
「……少し……」
「奏多はもっと着飾ってもいいね。さりげないネックレスやピアス、この服装だったらアンクレットなんかも似合うよ」
「急いでいたし朝陽のだから、ついそのままで……」
「僕が贈ろうかな? 離れたとしても、兄としてプレゼントをするのは問題ないと思うから」
「聖さんが?」
キスしながら、余韻を楽しむように、話ながらまたキスをする聖さん。少しでも長く……そんな想いが込められているようで、ついつい私も話してしまう。
「和服も似合っていたね。あの時は急だったから家にあった物だったけど、今度は奏多用に合わせて作ろう? 淡い色のほうが奏多に合う、藤、若緑、象牙、紫水晶、月白や白藍も。そうそう、巽を誘うのに桃花色なんてどうだい?」