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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第25章 社長の前での決断

ほら、聖さんに助けられた後の復帰後、受付に三科さんが来たじゃない。あの時も朝陽が割って入り庇ってはくれたよ。その後はもう通るたびに噛み付かんばかりの威嚇っぷりを、朝陽が発揮していたのよね。お陰で三科さんは受付に近寄れず、私は助かっていた。それが長じて起きたのが、待ち伏せと直接攻撃だったのよ。朝陽が居ない隙を狙い、最後にはヤケクソになって直接……これがことの顛末。ずっと攻防していたの朝陽が。

「できたら居て欲しいとは思う。だけど、巽さんに一任するかな? 巽さんがやりたくなければ、私はなにも言わないよ」
「やらないんだったら、なぜ新しい変声機を作る? 相当の覚悟は必要だが、やらないとまでは言ってない」
「やって……くれるの?」
「今度は気が向いた時にな」
「そう……。少し安心したかも」
「もう暫く金森朝陽が必要そうだからな奏多?」
「……うん」

また朝陽に会える、それがちょこっとだけ嬉しいよ。やっぱり女子トークしたい……あ、女子じゃないんだった。なんだか混乱しそう。

「あ、そうそう。明日マンションに戻っていいかな?」
「帰るのか?」
「いつまでもとはいかないでしょう? 巽さんの怪我も落ち着いたから、ちゃんと家に戻ろうかと思って……」
「…………」

??
巽さん、もの凄く渋い顔をしてる。……もしかして帰っちゃダメなの、まだ危険があるの? 少しの間話さない巽さん、でもなにかを考えたのかソファーから立ち上がり、私に向かって来る。

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