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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第25章 社長の前での決断

本当は魅惑的な提案なの。巽さんと一緒は私も心地よくて、つい頷いてしまいそうになったくらい嬉しかった。でもね、まだ私は言っていないのもあり、巽さんに言ったことも嘘じゃないもの。もう少しで試験なのよ、だから邪魔されず集中出来る時間は欲しい。それが終わったら……巽さんの提案に応えるから、それまで我慢して?

「今日は遅いからな、明日送っていくでいいか?」
「運転出来るの?」
「あぁ、もう支障はない。大体にして傷そのまんまで運転したんだぞ?」
「そ、そうだったよね。私が運転すればよかったのに、ついウッカリしてたかも」
「奏多が運転して、どこに行ってたんだよ、たくっ」
「それもそうかも。考えたのは……私のマンション?」
「それはこっちが都合悪い。無理をしてでも運転して正解だったな」
「朝陽と思っていたから、仕方ないでしょう巽さん」
「まあな。ほら寝るぞ、着替えて来いよ」
「へ? わっっ!」

すっかり恒例になった巽さんの押し出し、こんなのも今日までなんだね。そして週明けに出勤しても、朝陽が居るかは分からない。巽さんとして来てくれるかも分からない。また暫く会えないんだね。

「……最後までパジャマじゃなく彼シャツ、これも慣れたよね私も」

借りていた服を脱ぎ、いつもの巽さんのワイシャツを羽織り、そのままベッドに潜り込むの。そうしたら、私が着替えた頃合いを見ていた巽さんが入って来て、私の隣で眠りにつく。無防備な巽さんの胸の中で寝るのは好き。私も凄く安堵出来るもの。

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