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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第25章 社長の前での決断
◇
次の日のお昼近く、私は自分のマンションへ帰るための準備をしていた。準備といっても、私の服は血がついているので使えないから、巽さんからまた朝陽の服を拝借。ほぼ昨日と同じようなコーデで整え、マンションを出ようとしたら、突然巽さんのスマホが鳴ったの。
「どうした聖?」
「…………」
どうやら相手は聖さんみたい。日中なんて……なにかあったのかな?
「……はぁ!? またいきなりだな、おいっ!」
「…………」
「そりゃ構わんが、準備する時間くらい欲しいぞ」
「…………」
「夕方まで。……あぁ、奏多にも言っておく。……まぁ、仕方がないか、間に合わせるようには行くさ、じゃあ後でな」
「……巽さん?」
凄い複雑顔。これって絶対にいいことじゃないよね? こんな時間に、躊躇いもしない聖さんからの電話なんて、私でも悪い感じしか受けない。でしょう巽さん?
「……今日の夕方までに、奏多を連れて社長室に来いだとよ。俺たちを踏まえ、社長が直接奏多に会うそうだ。来週まで持ち越しかと思ったが、随分と早い呼び出しだな」
「……う……そ……」
急に言われても、心の準備なんて出来ないよ。それに本当に巽さんや聖さんが言っていた理由で、社長に呼ばれたのかも解らない。巽さんじゃないけど、私も来週と思っていたくらいだから、心の中はパニック寸前。
「どうしよう……」
「逆らってもいいことがあるわけでもないんだ、行くしかないだろう。……奏多を送っていくだけだと軽装だったが、仕方ない着替えるか」