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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第25章 社長の前での決断
「おいっ、奏多!?」
「ホッとしたら力が抜けて……」
安心したせいなのか、一気に力が抜けた私の体を巽さんが支えてくれる。さりげない巽さんの行動すら嬉しいと思うのは、私が言い切ってしまったから?
「とにかく彼女をソファーに座らせたらどうだ巽?」
「あぁ、そうだな」
「……すみません」
「いや、君の判断を煽った私も悪い。そろそろ決めて貰わないと、社内の喧騒も静かにならないと判断した結果だ」
そう言って社長は椅子から立ち上がり、私と巽さんとは向い合わせのソファーに座る、その隣には聖さん。ハッキリと分かれた一線、これが普通なのよ、それは理解しているつもり。
「色々と噂になるようなことをしてすみません社長」
「仕掛けたのは、うちの息子たちだ、君が悪いわけではない。二人共もう少し穏やかな方法があったと思うがどうなんだ?」
「初めはそう考えていましたが、途中から三科という厄介なのが引っ掛かってしまいましたからね。それで多少強引な手に切り替えた……でしょうか?」
「俺の女装より、聖のほうが効果は高い。そう考えたんだが、逆に三科を追い詰める結果になるとは思わなかった、という感じだ」
「三科に関して言えば、ただの解雇であり警察に突き出したわけではない。まだ彼女が襲われる危険を孕んでいると考えていいだろう。追わせてはいるが、暫くは聖に付いていたほうが得策。今度は巽の彼女として、兄である聖が擁護している、このスタンスを取ったほうがいいだろう」
「勿論バックアップはしますよ社長?」