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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第25章 社長の前での決断
「突き出しても構いはしなかったが、問題はお前だ巽。事情聴取で男だと……伊礼の息子だとバレるのは不味い、これが一番の理由だ」
「あぁ、理解はしてる。また俺たちが守るさ……奏多を。今度は堂々と守れるからな」
そっかあ……。あの時は会社的に都合が悪いと私は考えたけど、本当の理由は朝陽……うんん、巽さんが関わっていたためだったんだね。警察で朝陽から巽さんへ……そう思っただけで、私のほうが笑ってしまいそう。
「堂々とと言うのであれば、少しは本気で出社する気になったか巽?」
「どうなんだろうな。企画開発からは山ほど案件が来ているが、全面的にそちらに集中するのも……。奏多にはまだ金森朝陽は必要、俺はそう思っている」
「せめて半々くらいにはしないかい巽? 僕のほうに回されても、企画開発は専門外なんでね」
「そこは悪いとは思っているさ。半々か……それでもいいかも知れん」
「私は大丈夫だよ巽さん?」
「そうはいかないだろう。まだ暫く嫌みは続くぞ?」
「それは……まあ……」
聖さんだと思われていたのが、いきなり巽さんの彼女。幾ら弟の彼女を守るためという理由を付けても、巽さんも聖さん並に目立ち格好いい存在だもの、嫌みや嫌がらせは来るとは思う。
「社内に三科が入ることは出来んが、噂というのは中々にしぶといものだ。更に巽のと噂が広まれば、また余計騒がしさを呼ぶだろう」
「だが今度は公言出来るからな、今よりはマシになるだろ」
「思いっきり公言するつもりだね巽?」
「当たり前だ。やっと言えると言うべきか?」