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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第25章 社長の前での決断
「公言するのであれば、巽の正式の婚約者として公言することになるが、それでいいのか?」
は……え……婚約者!?
社長の爆弾投下に、慌てたのは私のほう。だって、いきなり婚約者だなんて……。大好きだけど、結婚までは考えていなかったというか、私自身そんなことを欠片も思っていなかったというか。……あぁダメ、また頭がパニックになりそうだよ。
「奏多?」
「い、いきなりだったから……」
「先に言うべきだったか。公言するということは、つまりそういうことだ。……嫌か、俺と結婚するのは?」
「そんなこと……ない。でも私はまだ20歳だし、もう少し時間の余裕が欲しいというか……」
「婚約者だから、すぐに結婚しなきゃいけないなんてことはないぞ? 数年先でもいい、俺を選んだんだから、俺と結婚して欲しい……奏多」
「巽さん……はい……」
返事を返したら、巽さんは嬉しいような照れているような顔をして、社長と聖さんが居るのもお構い無しで私をギュッと抱き締めるの。
「た、巽さん!?」
「諦めなくて……奏多を諦めなくてよかった。俺にはずっと奏多一人だ、他なんか必要ねぇ……奏多が居ればそれだけで十分なんだ」
「うん。前にも言っていたね」
「だから一生俺の側に居て欲しい。嫌と言っても離してやれそうもないが……」
「うん。離さないで」
「本当にいいたんだな俺で。後で聖と言ってもやらんぞ?」
「うん。分かってるよ」
次々に飛んで来る巽さんの言葉。私がどれだけ嬉しいのか、巽さんは分かっているのかな? 一言一言が光輝いているくらい、私には巽さんの言葉がキラキラして聞こえて来る。