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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第26章 もう過ちじゃない
そんなことを考えているうちに、バスルームに到着。聖のマンションじゃないんだ、俺のマンションなど玄関からバスルームまでそんなに長い距離じゃない。洗面所に置いてある椅子に奏多を座らせ、オート式になっている風呂のボタンを押す。
「さて、湯が溜まるまでに、ゆっくりと脱がすか」
「……え、脱がす?」
「服を着たまま風呂に入るつもりか奏多?」
「じ、自分で脱げます!」
「入る前に化粧を落としたほうがいいぞ? その洗面台に一通り揃っているから自由に使えばいい」
そう言えば、奏多は洗面台に並んでいる化粧類を眺め出した。朝陽をやるために揃えた化粧品、落ちを防ぐことを考えスポーツ用の特殊な化粧品をチョイス。これがまた当たりだったが……。
「全て水耐性仕様……でも、こういう化粧品って、化粧が濃くならない?」
「使いようだな。スポーツ選手は目立たせるために濃くしてるが、普通使いとなれば薄めを心がければ済む」
「やっぱり巽さん詳しいね」
「ほら、最低限落としてやる」
コットンを捕まえ、化粧落としを数種類染み込ませる。俺が持っているのはスポーツ用でキツいんだ、化粧水で割らなければ荒れる原因になっちまう。
「大人しくしてろ」
「うーん……」
すっかりと朝陽で慣れたせいで、化粧落としなどお手のもの。目の回りから始めて、残りやすい鼻周辺やまつ毛の上など、何度もコットンを替え奏多の化粧を落としてゆく。
「……私より上手いなんて……」
「朝陽の化粧は頑固だからな、しっかり落とさんと変に残るんだよ。出先の車で落とす時は毎回苦労してた」