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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第26章 もう過ちじゃない
「と、とにかく、化粧は落としたんだから、ほら脱げ」
「ちょ、巽さん、本当に自分で脱ぐからぁー!」
「脱がせるのも醍醐味だ」
「そんなあ……」
上着に手をかければ、奏多は服を握って嫌がる素振り。嫌がりモジモジする仕草が、逆に男心をそそられると気づいていないのが奏多らしいんだろう。何度も『男はエロい生き物だ』と言っても効果なし、先が思いやられるぞこれは……。
「私だけ脱がされるのは嫌なだけ。だけど巽さんのスーツ姿は格好いいから……うーん」
「格好いいな。そう思われていたとは知らんかった。だがな、鬱陶しいんだよスーツ姿は。方苦しいし、髪も固めてウザいし、ラフな服のほうが俺には合ってる」
「勿体ないかも……」
「そう言われてもな……」
自由になったのだから、囚われずに生きていたい……そんなことを思っていたが、奏多が居る以上、俺は俺であり続けなければいけない……伊礼として。それが奏多を守る唯一の方法なんだ、方苦しいとか言っていられないのも理解している。
奏多の上着を半ば強引に脱がせた後、俺もネクタイを緩めスーツを脱ぎ始めた。朝陽をやっているわけではないんだから、裸を見せるのに何ら抵抗はない。下着一枚まで脱いだところで、奏多の残りの服も脱がせてしまおうと、まだ開いているブラウスに手をかけた。
「大人しく脱がせてろよ」
「自分で脱いじゃダメなの?」
「脱がすのが楽しいんだ」
「……もぅ。でも、ちょっと待って」