この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第26章 もう過ちじゃない
「??
どうした?」
「……これ。高い物でしょう?」
耳のイヤリングを外し、大切そうに空いている場所に置いた奏多。俺にすれば大した金額ではないが、一般的に考えれば給料ひと月分程度なのか? 俺が渡した物を大切に扱ってくれる奏多を見るほうが、何倍も価値があるんだが。
「値段よりも奏多が喜ぶかが重要だと思うぞ? そうだな、エンゲージリングもいい」
「エンゲージ……婚約指輪……」
「ああ、最強の虫除けだろ? それはともかく、奏多にはダイヤモンドが似合うな。派手すぎず、だがしっかりと主張するエンゲージリングを選んでやるよ」
「エンゲージリング……」
「そこで恥ずかしがるなよ、言っている俺のほうも恥ずかしくなるだろうが」
この間に、しっかりと奏多の服を脱がした俺だがな。だがエンゲージリングの話は本気だ、奏多に一番似合う物を探してやるさ。
「いきなりなんだもん」
「親父の前であれだけ言い切ったくせに……」
「あの時は、ただ必死で……。今思い出すと凄く恥ずかしい」
「俺は人生の中で、一番嬉しかったが?」
「巽さんっ!」
「……本当だ、奏多」
こんな場所で言っても効果は薄いと分かっていたってな、どうしても言いたい時はあるんだ。まだ怠いであろう体を、柔らかく抱き締めると、奏多は素直に身を任せてくれる。一度セックスをしたことで、まだ熱いぬくもりの奏多の体温が心地いい。
「もう少し休めば、丁度よく湯も溜まってるさ」
「……うん……」
「どうせなら俺が、隅から隅まで洗ってやろうか?」
「…………へっ?」
「奏多の体、全てをな」