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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第6章 一夜の過ち

「まだ大丈夫か? 俺はまだ満足していないんだが」
「はぁはぁ……えっ、あの、その」

巽さんの指はまだ私の中に挿ったまま。
そうだよね、このままじゃ終われない。最後まで……だよね。
大丈夫、まだ大丈夫、私は大丈夫と言い聞かせなくちゃ。
……凄く怖いけど。

「こ、このまま……」
「……そうか。奏多は我慢強い」
「そんなこと……ない」

本音は、この後が怖い。
だって短大時代にトラウマになってしまった行為だもの。
挿入され、やっぱり痛かったら、私はどうすればいいの?
また拒絶する? 20歳も越えた社会人が子供のように?

「心配するな。いい場所は見つけられなかったが、中は十分に解れている。それに痛まないように気をつける、それでいいな?」
「…………」

頷けば、巽さんが動く。
挿っていた指を抜き、なにかを掴んだと思ったら、後ろを向いてしまった。

(……あ、避妊具)

疎い私でも、それくらいは流れ的に理解出来るよ。
後ろを向いたのは、多分見られたくないから。
男性はあまり見せたくないと、雑誌に載っていたのを読んだことがある。

少し間が開き、巽さんが私に振り返る。
その時に初めて見た、避妊具を付けた男性のアレを。
大きくて、太くて、反り返るように硬い。
こんな風に本物を見たこと自体が無く、私は今なにを凝視しているんだろうと自覚したら、私の行動に私が羞恥してしまう。
だって、そんなにマジマジと見るものじゃないでしょう?

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