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第6章 一夜の過ち

「気になるか？」
「えっ！？」
「だったら触ってみろよ」
「えぇ！？」
「触れば分かるだろ、これが奏多の中に挿ると」

もう一度、私の側に来た巽さんが、私の手を取り自分の股間へと誘う。
避妊具越しだけど、触れる男性のモノ。

「硬い、それに凄く熱い」
「俺をこんなに熱くさせているのは、奏多お前だ」
「これが私の中に……」

まるで灼熱の杭、それが触れた私の感想。
どこを触れても硬く熱く、私の中を押し広げ貫く棒杙（ﾎﾞｳｸｲ）にしか思えない。

「怖いか？」
「……怖い……」

思ったことを素直に巽さんに伝えてみた。
すると巽さんは、私をギュっと抱き締めて来る。

「何度も言うが、なるべく痛まないように気をつける。だから俺を受け入れてくれ……奏多」
「巽さん……」

そんな言い方なんてズルい。断ることが出来ないような巽さんの言葉に、私は黙って頷くしかないじゃないの。
どうして肝心なところは、甘く囁くような言い方になるのだろう？
俺様のようで俺様ではない。だけど話す言葉は俺様口調。……本当に不思議な社長息子だとは思う。

「……奏多」
「あ……ん……」

触れるだけのキスをした後、巽さんは私の両脚を大きく広げる。
蜜口に当たる硬いもの……巽さんのモノだと分かるのに挿入して来ない。
ただ秘部に擦り合わせるように、行ったり来たりしているだけ。
普通、すぐに挿入するものじゃないの？