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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第27章 エピローグ
◇
そんな少し変わってしまった関係、そして社内。それでも私は受付に立っている。
そう、秘書試験合格しました! やっぱり合格って嬉しい、頑張ったかいがあったもの。
でもね、ここでも変化は出たのよ。まずは言っていた通りに、巽さんのマンションで暮らし始めたこと。もう一つは、今の受付業務は半年で移動になること。試験が受かったのなら、聖さんと巽さんの秘書として居てくれたほうがいい、これは社長の判断。喜ぶのは聖さんと巽さんよね?
私は……心境複雑。朝陽と立っていた受付、そこから離れると思うと……。少し寂しいのかな?
(後一ヶ月かぁ……)
受付業務に配属になってから来月で半年、逆に言えばたった半年だけだった受付。本当は一年くらいやるものだって先輩から聞いた、私のほうが異例だと。
そんなことを考えながら、会社への道を歩く。今はもう一人で歩いても、なにも言われることはなくなった。それは三科さんが完全に消えてしまったため、少なくともこの街には居ない、それは確認しているらしいの。だから私も今は自由に歩いてる、巽さんはちょっと不服そうだけどダメとまでは言わないよ。
(一番の理由は、マンションから会社まで近いから)
最寄り駅を歩いて通過しても五分圏内だもん、これで言われたら私のほうが怒ると思う。私だってほら、会社帰りに一人で買い物とかしたいとか、たまには街を歩きたいなんて時もあるんだから、それに制限をつけられちゃうと……ね。