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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第27章 エピローグ
(あ、駅……)
今は駅前広場を歩いて通過するだけになってしまった、会社の最寄り駅。ここで朝陽が待っていたのが、凄く前に感じてしまう。全く知らなかった私は、朝陽との通勤が楽しくて……って、えっ!?
「おっはよー奏多!」
「………はぁ!?」
その最寄り駅から、から、私に近寄って来たのは……朝陽ぃぃー!?!?
「なに驚いてるのよ?」
「だ、だだだだって、今更朝陽をやる必要なんて……」
「気が向いたらやると言ったわよ私。奏多が寂しそうだから、もう少しだけ受付で付き合ってあげるわ」
「へ? えぇぇぇぇーー!?」
少し前にマンションから出る時は普通だった……そうじゃなく、巽さんだったという意味。でも今は完全に朝陽の姿……いつの間に?
「どうしてそんなに早業で替われるの? それに仕事は?」
「んー、あらかた片付けちゃった。後、早業って……これでも自己暗示くらいは必要なんだからね! 奏多が行ってからソッコーで着替えて、車で先回りしただけだわ」
「……はぁ……」
もうなにがなんだか、私も分からなくなりそう。巽さ……うんん、突然の朝陽の出現。会社の仕事も忙しくなり、私はもう巽さんは朝陽をやらないと思っていたの。だって理由がないでしょう? 巽さんとして会社に来ているんだから、朝陽は必要のない存在……そう思っていたのに。
「言ったわよね、奏多にはまだ私が必要だって。だから必死に仕事をこなしたのに、奏多ったら塩対応」
「ち、ちょっと待って、どうしても同じ人とは思えないよ!」
「それ、失礼だわ奏多?」