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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第27章 エピローグ
あれ? 飲み会合コン上等の朝陽だったのに、どうやら私をそういうのには行かせたくないみたい。それはまぁ……今は巽さんの婚約者という立場な私と、本人なんだけどね。
「居酒屋は行きたいかも。巽さんと居酒屋はちょっとね」
「別に居酒屋でもいいのよ? 毎回ハンバーガーは飽きるでしょう?」
「朝陽がそれを言うの?」
「朝陽でハンバーガー屋は行かないわ」
「その姿で大量に食べられるのは、私でも遠慮かな?」
「でしょう? だから居酒屋で許して奏多。もう飲み会なんかに連れ出しません」
「少しは楽しかったのに……」
「今の奏多は私のなの! 他の男なんてボィよボィ」
うわぁー。朝陽でも、ここぞというところは巽さんをしてる。要するに、私が違う男性に話すのも、話しかけられるのも気に入らないわけね。これって、しっかり巽さんしてるじゃない! やっぱり本人、そこまで甘くなかったわ。
「くすっ、いいよ朝陽と二人で。私も朝陽のほうが楽しいから」
「それって、どういう……」
「私は朝陽が一番の友達で大好きなの。忘れたかな?」
「忘れちゃいないわ。でもね……」
「朝陽が大好きじゃダメなの?」
「うーん、心境複雑……」
入社から、ずっと私の側に居てくれたのは朝陽。巽さんかも知れないけれど、朝陽に助けられたことも沢山ある。それにこの街で数少ない女性の友達、なんでも話せる間柄。だから大好きなの朝陽が、巽さんとはまた別の意味で。