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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第9章 社長息子は眉目秀麗
◇◇
(凄く大きい……)
古い日本家屋とは言われたけれど、車で一時間ほと走って到着したのは、どれだけの広さがあるのと言いたいくらいの大豪邸。
確かに純和風の作り、だけど何棟もある建物、その建物以上に広く手入れされた庭。……大手商社伊礼物産を、私が甘く見ていた感じ。少し考えれば分かるでしょうと。
「どうぞ。中は好きに使って構わないからね」
「は、はぁ……。
玄関だけで私のアパート並なんて……」
「無駄に広いだけ。実際に使っているのは、母屋と隣の別棟の二つ。そのほうがお互いに気を張らずに生活出来る」
「お互い?」
「お手伝いが二人居ると言ったよね。別棟はその二人のプライベート空間になっているんだよ。僕も夜は一人のほうがいい、だから互いに住み分けは必要になるんだよね」
「…………」
そんなものなの?
こんな大豪邸に縁のない私には、全く理解出来ない。
私だったら、この家に一人は嫌かな? 小さくても皆一緒のほうがいいよ。
玄関を抜けると、聖さんが言うお手伝いさん達が廊下に顔を出した。
「お帰りなさいませ」
「ただいま。
客連れでね……そう、風呂と着替え、後は夕食も用意してくれないかい」
「風呂?」
「そのままは嫌かと。
それに湯で温めたほうが、その……胸元に残る『それ』も早く消えるとは思う」
「……あっ」
慌てて服で胸元を隠したけれど後の祭り、聖さんはしっかり見ていたんだ。
そうだよね、こんな目立つ場所だもの。