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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第9章 社長息子は眉目秀麗
「で、ではお言葉に甘えて……」
「そのほうがいい。
僕も着替えてから居間に行くよ。その間にゆっくり浸かりなさい奏多?」
「はい、ありがとうございます」
妙齢のお手伝いさんに連れられ、私は聖さんとは別方向へと向かう。
母屋も広く、案内されなければ迷ってしまいそう。
「こちらをお使い下さい」
「わざわざありがとうございます」
「……いえ。
それにしても、あの聖さんが女性をお連れするなんて、長年勤めさせて頂いていますが、初めて見ました」
「よくあることじゃないんですか?」
「幼い頃はともかく、成人になられてからは一度もありません。本当に珍しいこと」
……意外。もっと遊んでいると思ってた、とは言えず。もう一度お手伝いさんにお礼を言い、通された部屋を使うことにしたんだけど……。
「部屋まで広いなんて」
続き部屋で、古めの調度品が疎らに置かれているだけの広々とした室内。
部屋に続くように風呂もお手洗いもあり、もうここはどこよと言いたい気分なの、誰か分かってくれるかな?
「と、とにかく……」
一番は風呂だよね。
聖さんじゃないけれど、早くこの痣を、消えないまでも薄くしてしまいたい。
無理矢理された証。
こんなのは絶対に嫌!
「……あ、檜風呂」
ちょっと覗けば、並々とお湯が張られた檜風呂がある。だけど、そこまで古い感じは受けなく、温泉に来た感じに似ていると言えばいい?
触れられた服も下着も嫌で、脱衣所で全てを脱ぎ捨て、かしこまりながらも檜風呂を使う。