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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第9章 社長息子は眉目秀麗
◇◇◇
「…………」
部屋に入り一番最初にしたのは、スーツに入れていたスマホを取り出すこと。
勿論理由は巽に連絡を取るため……入れないと後で噛みつくだろうから。
『……どうした?
そっちから連絡とは珍しい。来るとロクなこともないがな』
「そう邪険にされても困るよ。今は大丈夫かい?」
『……あぁ問題ない』
事情があり、日中に巽とは連絡をしない。……そう約束を交わしている。
「夏目さんを保護した。
彼女は同期の三科に、無理矢理性行為に持ち込まれそうなところを逃げ出したようだね」
『なんだと!?』
巽の声が低くなり、怒りを表しているのが丸わかり。
直情型で何事にも反応する巽だから。……いや、これは純粋な怒り。彼女が関わっているせい。
「三科には多少お灸を据えたよ、勿論夏目さんには分からない方法でね。
巽、これを公にすると、夏目さんにまで被害が及ぶ、このくらいで妥協してくれないかい?」
『それは分かるが、奏多は? 彼女はどうした?』
「震え動けそうになかったので、今は僕の家だよ。
使いに手伝って貰い、風呂に入れさせている。多分……あのままは彼女も嫌だろうから」
はっきりと見えた胸元のキスマーク、三科が無理に彼女に付けたのだろう。
それを指摘したら、彼女は嫌悪感で顔をしかめ、服をたぐり寄せていたのだから。
『そこまでしたのか彼奴っ』
「僕も男だから男の衝動は理解出来るが、やって良いこと悪いことの判断まで消えてなくなるのは、いただけないね」
『当たり前だ』