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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第9章 社長息子は眉目秀麗
断っていれば、こんな思いをせずに済んだのに……。
私は三科さんの『同僚』という言葉を信じてしまい、結果はあれ。
その気もないのに付き合うからこうなる、そう言われたら言い返せない。どんな理由であれ、頷いたのは……私。
(……なんか場違い)
歩きながら、手入れの行きといた庭を見ても気分は晴れず。違う余計に落ち込みそうになるよ。私はなにをやっているんだろうと。
(どうして助けてくれたの? なぜあの場所に居たの?)
偶然なのは分かってる。
でもね、聖さんがあの場所に居た理由が無いのよ。
だって聖さんには関係のない場合でしょう、駅前や交番付近なんて。
(…………)
考えだけがグルグル回る。
出ない答えを求めるように。
私次第、聖さんはそう言った。
答えを見つけていいのだろうか。
(駄目、考えが纏まらないよ)
この間のように、数時間で色々ありすぎて、私の頭は限界を軽くオーバーしてる。そもそも男性が関わると、いいことがない私。……それくらいの自覚はあるの。
「どうぞ。
聖さんはまだ来ていないようですが、この居間でお待ち下さいね」
「分かりました」
ここも広い。
でも、完全に和風ではないみたい。
テレビもあるし、洋風の家具もある。和洋折衷と言うの? 上手く和と洋が調和している感じを受けたのよ。
「……あの大きな卓で待っていればいいのかな?」
奥のほうに大人数で座れそうな卓があり、上には料理が乗せられている。
『夕食も』、そう聖さんも言っていたし、私は下座に座り待ってみることにした。