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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第9章 社長息子は眉目秀麗
「あの! 間に合ってとは?」
言ったよね? 声は少し小さかったけど、確かに言ったよね??
「ん?
あぁ、たまたま見かけてね、先回りをしていた。
……雰囲気が穏やかという感じではなかったから、先回りをしていて良かったと思うよ」
「見て……いたんですか……」
じゃあ、あの路地裏でのやり取りも? あれを見られていたと思うと……凄くやりきれない。
私の意思ではなかったとはいえ、あんなこと……。
「僕が気づいたのは、奏多が走り出した後。向かう方向からして警察……そう考えたからこそ、あの場所に車を停めて待った」
「そうだったんですか。
でも居てくれなければ、私は今ごろ……」
そこまで言って、自分でもゾッとする。
多分交番に到着する前に、三科さんに捕まり、私は無理矢理連れて行かれていたのではないか? 今度こそセックスに持ち込まれていたのではないかって。
三科さんとなんて絶対に嫌! あんな考えをする人とは、私は間違いなく合わないよ。
「だから、間に合ってよかったと。あの様子では君が危険だったのは明白だからね」
「……すみません」
「怒っているわけではないよ。同僚なのだから、飲みにというのは少なからずあるだろうし、君が悪いわけでもない。ただ相手が勘違いでもしたと言ったほうがいいのかな?」
「三科さんは……私というより、受付嬢という目立つ存在に惹かれたみたいです。結局のところ、誰でもよかった、私はそう思っています」