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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第10章 墨の華~過ぎし日の回想録

奏多を座椅子に座らせ、僕は負担にならないように唇を滑らせる。奏多が怯えないように、細心の注意を払い僕は行動に移す。
この嫌な刻印を塗り替えるために。

「……あ……ん……」
「痛くない?」
「チクッと……でも痛くないです」
「そう。
ここも、ここも、ここも……」

見える場所から始めたキスの上書き。忌々しい痣に僕は唇を落とし、少し力を込めて吸い上げる。
新たに浮かび上がる赤い華。
奏多は肌が白く、刻印が浮かびやすいと初めて知った。いや、奏多に触れること自体が初めてなんだ。

白く、きめの細かい肌。
お酒のせいで少々体温が上がった温もり。
触れて心地よい質感。
小さく上げる声。

どれほど恋い焦がれただろう、この肌に、声に、彼女自身に。やっと触れられた嬉しさは、なにものにも変えがたい。
……愛情、そう愛情。
奏多しか見れなかった僕の愛情が今……。

「聖さん……」
「ん……チュッ……見える場所はこれが最後。胸元を開いていい?」
「………」

奏多を見上げれば、僅ながらでも頷いてくれ、僕は椅子の下で膝立ちのまま、襟口を掴み胸元を押し開いた。
胸の上のほうにまである痣。こんな場所にまで……多少の腹立たしさが僕の中を駆け抜けるが、消してしまえばよいと、自身の気持ちに蓋をする。

「……チュッ……」
「……んん!」

口を隠すように塞ぎ、声を抑えようとする奏多は、なんて素敵なのだろう。
ノロケかも知れないが、この仕草一つ一つに、僕は一喜一憂する。

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