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喪服奴隷・七菜
第1章 1周忌

香織・・・七菜より2歳年下の23歳。
東京の短大を卒業し、そのまま千代田区の食品商社に経理として働いていたのだが
会社は今年の頭に2回目の不渡りを出して倒産してしまった。
それを聞きつけた省吾が
「今までの給料の1.5倍を出すからウチにこないか」と誘いをかけた。
香織は見知らぬ土地での生活に不安はあったものの
姉が傷心の毎日を送っているのをみかねていたし
破格の条件にも魅力を感じて、グループ本社の経理として就職を決めたのだ。
そのことで、姉の七菜はもちろん強硬に反対した。
『実家の神奈川に戻って両親の近くで暮らして欲しい。
生活費の面倒は、あなたが再就職できるまで私が持つから』
そう説得したのだが、香織は一度言い出したら人の意見を聞かない性格。
父親とも折り合いが悪く、そのため高校を卒業したとたん、家を出たのであった。
いまさら実家に戻る気はないという。
なおも説得を試みようとした七菜だが
「未亡人・七菜が今どんな生活を送っているか、妹にばれてもいいのか」
その言葉が出たとたん、自らの置かれた境遇だけは妹に知られまいと
説得の言葉を、濁さざるを得なくなった。
東京の短大を卒業し、そのまま千代田区の食品商社に経理として働いていたのだが
会社は今年の頭に2回目の不渡りを出して倒産してしまった。
それを聞きつけた省吾が
「今までの給料の1.5倍を出すからウチにこないか」と誘いをかけた。
香織は見知らぬ土地での生活に不安はあったものの
姉が傷心の毎日を送っているのをみかねていたし
破格の条件にも魅力を感じて、グループ本社の経理として就職を決めたのだ。
そのことで、姉の七菜はもちろん強硬に反対した。
『実家の神奈川に戻って両親の近くで暮らして欲しい。
生活費の面倒は、あなたが再就職できるまで私が持つから』
そう説得したのだが、香織は一度言い出したら人の意見を聞かない性格。
父親とも折り合いが悪く、そのため高校を卒業したとたん、家を出たのであった。
いまさら実家に戻る気はないという。
なおも説得を試みようとした七菜だが
「未亡人・七菜が今どんな生活を送っているか、妹にばれてもいいのか」
その言葉が出たとたん、自らの置かれた境遇だけは妹に知られまいと
説得の言葉を、濁さざるを得なくなった。

