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喪服奴隷・七菜
第6章 初の接待
窓の風景が飛ぶように移り変わっていく。
「思ったより時間を食っちまったから急がないとな」と言いながらも
ハンドルを持たない左手は、七菜を腿を行ったり来たりしながらさすっている。
ローターは微弱な振動を繰り返して七菜を悩ませる。
七菜は早く目的地に着かないか、そればかりを念じている。
さすがに中嶋水産の社長の前で
縄衣装のまま引き合わされることはないだろうと思っていた。
このローターだって車の中だけだろう。それまでの我慢だ。

薄暗くなってきた車窓が、急に明るく輝きだす。
町一番の繁華街に入ってきたのだ。
煌々と照らされるネオン街を左に折れ
山の手に入った奥まったところで急に道が開ける。
奥には2階建ての大きな日本家屋が見える。
この町でも屈指の歴史と、豪華さを誇る料亭だった。
広々とした駐車場の一角に車を停めると、エンジンを切った省吾は七菜の頭を撫でる。
「大事なお取引先なんだから、今日は粗相のないようにしろよ。
いま手錠を外してやるからな」
というと、七菜の唇を奪いながら、手錠に鍵を差し込む。
リクライニングを持ち上げて、元の姿勢に戻すと
「さぁ行こうか」と声をかける。
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