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私を抱いて…離さないで
第2章 人と金と…
場違いだったのかもしれない。
トイレで話していた二人は、夜の仕事をしているような、派手な風貌をしていた。
……きっと、沢山のお金を注ぎ込んでるんだろうな。美麗くんの為に。
「……」
チープな服装。地味な雰囲気。
細客と言われても、仕方ない。
実際、利用してるのはセット料金だし。
……でも、それが祐輔くんへの思いと比例してしまうのは……嫌だな。
グラスに注がれたオレンジジュース。氷は溶けかかり、上部に薄い透明な層ができていた。
「……果穂ちゃん」
声がして、顔を上げる。
直ぐそこに浮かぶ、祐輔くんの笑顔。
「ただいま。隣、座っていい?」
「………あ、はい」
私の返事を聞き、拳一個分程の距離を空けて、美麗が腰を下ろす。