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私を抱いて…離さないで
第2章 人と金と…
「……でも、ありがとう。
俺の為に用意してくれたんだよね」
「……」
「その気持ちだけで、充分。……あ、俺も飲んでいい?」
少し砕けた笑顔を向け、美麗がミネラルウォーターに手を伸ばす。
ペットボトルのキャップを空け、そのまま口を付けてゴクゴクと飲む。
「………色んな所でアルコール入れたから、結構キツくて」
「……」
「今は、これが一番だな」
はは……と、あどけない表情で美麗が笑う。
細客にも神対応──多分、気を遣って盛り上げようとしてるんだろう。
そう感じているのに、震える。
心が、震える……
「……だから、気にしないで」
目の前にスッと差し出される、ハンカチ。
あの時と同じ……光景……
「………え、」
驚いて美麗を見上げれば……スッと顔を近付けた美麗が私の頬に触れる。下瞼に添えた親指が、ゆっくりと涙の跡を拭い……
「……ね。果穂ちゃん」
「……」
くっきりとした二重。
その瞳が、間近で合う。
さっきまでの雰囲気が消え、甘く作り変えられていく空気。
真っ直ぐに向けられたその双眸から、目が離せない。
触れられた所が、熱い──
俺の為に用意してくれたんだよね」
「……」
「その気持ちだけで、充分。……あ、俺も飲んでいい?」
少し砕けた笑顔を向け、美麗がミネラルウォーターに手を伸ばす。
ペットボトルのキャップを空け、そのまま口を付けてゴクゴクと飲む。
「………色んな所でアルコール入れたから、結構キツくて」
「……」
「今は、これが一番だな」
はは……と、あどけない表情で美麗が笑う。
細客にも神対応──多分、気を遣って盛り上げようとしてるんだろう。
そう感じているのに、震える。
心が、震える……
「……だから、気にしないで」
目の前にスッと差し出される、ハンカチ。
あの時と同じ……光景……
「………え、」
驚いて美麗を見上げれば……スッと顔を近付けた美麗が私の頬に触れる。下瞼に添えた親指が、ゆっくりと涙の跡を拭い……
「……ね。果穂ちゃん」
「……」
くっきりとした二重。
その瞳が、間近で合う。
さっきまでの雰囲気が消え、甘く作り変えられていく空気。
真っ直ぐに向けられたその双眸から、目が離せない。
触れられた所が、熱い──