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私を抱いて…離さないで
第2章 人と金と…
居場所──それは、私も同じ。
血の繫がりはあるのに、疎外感しか無かった。親子とか兄弟の絆とか、そういうものを感じた事なんて、一度もない。
……祐輔くんは、ご両親に引き取られた後、どうしていたんだろう……
ご両親と、何があったんだろう……
「……ごめんね。何か酔い過ぎて、俺変な事喋ってるよね」
はは……、と祐輔くんが、笑って誤魔化す。いつもと同じ、元気な声。
「……ううん。私も、……」
施設にいたんだよ──
そう口にしそうになった時──背後から現れた黒服が、美麗にそっと耳打ちをする。
「……ごめん。ちょっと出掛けてくるね。すぐ戻ってくるから。……待ってて」
いつもの明るい笑顔を残し、美麗が黒服と共に席を立つ。
煌びやかなシャンデリアの下、光り輝く美麗が、他の卓に向かいながら元気よく手を振った。
「……」
席に着いてから、まだほんの数分。
祐輔くんが長くいられるのは、やっぱりお金を多く落としてくれる所で。
……今の私は、この店にとって価値の低い細客でしかないんだ。
血の繫がりはあるのに、疎外感しか無かった。親子とか兄弟の絆とか、そういうものを感じた事なんて、一度もない。
……祐輔くんは、ご両親に引き取られた後、どうしていたんだろう……
ご両親と、何があったんだろう……
「……ごめんね。何か酔い過ぎて、俺変な事喋ってるよね」
はは……、と祐輔くんが、笑って誤魔化す。いつもと同じ、元気な声。
「……ううん。私も、……」
施設にいたんだよ──
そう口にしそうになった時──背後から現れた黒服が、美麗にそっと耳打ちをする。
「……ごめん。ちょっと出掛けてくるね。すぐ戻ってくるから。……待ってて」
いつもの明るい笑顔を残し、美麗が黒服と共に席を立つ。
煌びやかなシャンデリアの下、光り輝く美麗が、他の卓に向かいながら元気よく手を振った。
「……」
席に着いてから、まだほんの数分。
祐輔くんが長くいられるのは、やっぱりお金を多く落としてくれる所で。
……今の私は、この店にとって価値の低い細客でしかないんだ。