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第2章 人と金と…

「……この前、オッサンとラブホ入ったっしょ？」

「──！」


思ってもみない台詞に、息が止まる。
その反応が面白かったのか。もう一人がニタついた顔で私を見下ろす。


「別に脅しじゃないけとさぁ。大人しく引き受けといた方が、良くない？」
「知り合いに、女子大生紹介してって頼まれてんだよねぇ」
「……」
「ほら、金欲しいっしょ？」
「企画で10万。取り分は二八」

8割って事は……一回8万。
性を売り物にする事に、抵抗がない訳じゃない。AVとなると、不特定多数の人に、私の顔や裸が見られるのだから。
……でも、魅力的ではある。

「悪くないっしょ？」
「色々黙っておくからさ」
「……」

最近は、一万円前後が多い。
病気や妊娠という危険を冒しているのに、この値段は……安すぎる。
返事もせず頭の中で考えを巡らせていると、私に迫る二人の背後に人影が差した。