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私を抱いて…離さないで
第2章 人と金と…
「………なに、してんの?」
爽やかながら、不穏な声。ふわりと漂う、ミントグリーンの香り。
突然の声に驚いた様子の男達が、振り返る。
と、そこに立つのは、険しい顔をした──安藤先輩。
「俺の彼女に、何か用?」
私の二の腕を掴んでいる男の手首を乱暴に掴み上げ、相手を睨みつける。
「──え、コイツ、安藤のオンナ……?」
「だったら、何?」
「……マジかよ。ウケる」
苦笑いを浮かべた男が先輩の手を振り払う。
しんと静まったカフェテラス。そこにいる人達からの視線。
それに耐えられなかったのか、バツが悪そうに男がその場を去っていく。
「……大丈夫?」
それを見届けた先輩が、私に優しく声を掛けてくる。
掴まれていた二の腕にそっと手を添えた後、心配そうに私の顔を覗き込む。
「………はい」
どうして。
さっきすれ違った後、ここから離れた筈。
「……」
ふと、先輩の瞳から視線を逸らす。
その肩越しから見えたのは……
遠くから私を睨みつけている、先輩の取り巻き達。
爽やかながら、不穏な声。ふわりと漂う、ミントグリーンの香り。
突然の声に驚いた様子の男達が、振り返る。
と、そこに立つのは、険しい顔をした──安藤先輩。
「俺の彼女に、何か用?」
私の二の腕を掴んでいる男の手首を乱暴に掴み上げ、相手を睨みつける。
「──え、コイツ、安藤のオンナ……?」
「だったら、何?」
「……マジかよ。ウケる」
苦笑いを浮かべた男が先輩の手を振り払う。
しんと静まったカフェテラス。そこにいる人達からの視線。
それに耐えられなかったのか、バツが悪そうに男がその場を去っていく。
「……大丈夫?」
それを見届けた先輩が、私に優しく声を掛けてくる。
掴まれていた二の腕にそっと手を添えた後、心配そうに私の顔を覗き込む。
「………はい」
どうして。
さっきすれ違った後、ここから離れた筈。
「……」
ふと、先輩の瞳から視線を逸らす。
その肩越しから見えたのは……
遠くから私を睨みつけている、先輩の取り巻き達。