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私を抱いて…離さないで
第2章 人と金と…
ああいうのは、大山さんみたいな人が向いているんだろうな。
施設出身で、地味でカースト下位の無口な女となんて、お金を払ってまで話をしたいなんて思わないだろうし。
突然襲ってくる不安。
感じる格差。
目立たないように生きてきたせいで、目立たない生き方しかできない。
だから多分、これから先も私には無縁な世界──
パン売り場に移り、腰を落として下段の商品を一点一点確認する。期限が近い商品に割引シールを貼っていると、背後から覆い被さるようにして気配が迫り、顔の横からスッと手が現れた。
「……!」
驚いて振り返れば、すぐそこにはサラリーマンのおじさんが。
カサッ……
その商品を奪うように取りながら屈んだ膝を膝を伸ばし、チラッと私の顔を見ると、特に気にも止めず立ち去っていく。
「……」
施設出身で、地味でカースト下位の無口な女となんて、お金を払ってまで話をしたいなんて思わないだろうし。
突然襲ってくる不安。
感じる格差。
目立たないように生きてきたせいで、目立たない生き方しかできない。
だから多分、これから先も私には無縁な世界──
パン売り場に移り、腰を落として下段の商品を一点一点確認する。期限が近い商品に割引シールを貼っていると、背後から覆い被さるようにして気配が迫り、顔の横からスッと手が現れた。
「……!」
驚いて振り返れば、すぐそこにはサラリーマンのおじさんが。
カサッ……
その商品を奪うように取りながら屈んだ膝を膝を伸ばし、チラッと私の顔を見ると、特に気にも止めず立ち去っていく。
「……」