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私を抱いて…離さないで
第2章 人と金と…
……気持ち、悪い……
厭らしい。
さっき、おじさんが商品を取る時、髪を束ねて剥き出しになっていた首筋と項辺りに、おじさんの吐息が掛かった。
……気持ち悪い。
別に狭い所じゃないし、真横に来て取ればいい事なのに……
耳に残る、おじさんの吐息。
堪らず首元を片手で覆ってゆっくりと拭う。
はぁ、はぁ……
『……ほら、果穂』
『金、欲しいんだろ……』
「──!!」
突然襲う、忌まわしい過去。
暗闇から顔を出し、私をそこに引き摺り堕とそうとする。
……いや……
寒気が走り、指先が痺れ、身体が小刻みに震えて止まらない。
違う……あれはアイツじゃない。
違う、違う、違う。
腕を交差させ自身の二の腕を掴んでじっと耐える。
「……」
もう、何度も援交したのに。
何で、このタイミングで……思い出したりなんか……
じわっと涙が滲み、視界が歪む。
何度も大きく深呼吸をして、気持ちを落ち着かせると、ぐいっと手の甲でそれを拭う。
厭らしい。
さっき、おじさんが商品を取る時、髪を束ねて剥き出しになっていた首筋と項辺りに、おじさんの吐息が掛かった。
……気持ち悪い。
別に狭い所じゃないし、真横に来て取ればいい事なのに……
耳に残る、おじさんの吐息。
堪らず首元を片手で覆ってゆっくりと拭う。
はぁ、はぁ……
『……ほら、果穂』
『金、欲しいんだろ……』
「──!!」
突然襲う、忌まわしい過去。
暗闇から顔を出し、私をそこに引き摺り堕とそうとする。
……いや……
寒気が走り、指先が痺れ、身体が小刻みに震えて止まらない。
違う……あれはアイツじゃない。
違う、違う、違う。
腕を交差させ自身の二の腕を掴んでじっと耐える。
「……」
もう、何度も援交したのに。
何で、このタイミングで……思い出したりなんか……
じわっと涙が滲み、視界が歪む。
何度も大きく深呼吸をして、気持ちを落ち着かせると、ぐいっと手の甲でそれを拭う。