この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
私を抱いて…離さないで
第2章 人と金と…
すん、と鼻をすすり、折り曲げた人差し指で下瞼を拭う。

“終わったら、電話して”──スマホを取り出そうとして、安藤先輩の声がふと蘇る。
あの時の、先輩の吐息。
爽やかだけど、柔く肌に掛かって……おじさんのそれと記憶が重なり、思わず耳と首筋に手を当てる。

「……」

おじさん程の嫌悪は感じ無かったけど……やっぱり、嫌だった。
嫌に、決まってる。
好きでもないし、気を許してもない。
援交の様に、割り切った気持ちでいた訳じゃない。
……もう、関わらないで欲しいのに……

気乗りしないままスマホを取り出し、画面に表示された文字が瞳に映れば、瞼が大きく持ち上がっていくのが解った。


「……」
『もしもし、果穂ちゃん?』

耳に当てたまま、息が止まる──
ずっと不安で仕方がなかった私の心に、抵抗無くスッと入ってくる、祐輔くんの明るい声。
たったそれだけ。なのに、不安が泡のように弾けて消えていく。
胸の奥から熱いものが込み上げ、容易に涙腺を緩ませる。
さっき拭い取ったばかりなのに──もう下瞼の縁に涙が溢れ、頬骨の上を掠めて零れ落ちる。
/252ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ