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私を抱いて…離さないで
第2章 人と金と…
『久し振り……って、まだ3日しか経ってないか』
はは…っと電話の奥で、祐輔くんが笑う。
パッと花が咲いたように明るくて……温かい。
『この前は、バースデーのお祝いに来てくれてありがとう。
少ししか一緒にいられなかったけど、果穂ちゃんに逢えて良かった。……嬉しかったよ』
「……」
『けど、あの後直ぐ帰っちゃったのは、寂しかったな……』
──淋しい……
本当に……そう感じてくれたの……?
「……」
でも、これはただの営業トーク。
そんな事ぐらい、解ってる。
解ってる……のに。ぐらぐらと揺さぶられて──心が、震えて止まらない。
「………」
私も、淋しかったよ。
祐輔くんと、あまり一緒に居られなかったから。
……凄く、淋しかった……
『………逢いたい』
突然。心に抱えていた言葉が、美麗くんの口から零れる。
その瞬間──ドクンッ、と心臓が大きく跳ね上がった。
『今すぐ飛んでいって、果穂ちゃんの頭をよしよししてあげたい』
「………え、」
『だって果穂ちゃん。……今、泣いてるでしょ』
「──!」