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私を抱いて…離さないで
第2章 人と金と…

「まぁ、安藤も本気じゃねぇだろ。あんな地味子に」
「……だよなぁ」
「逆に金貰ったって、勃たねぇよ!」
「ハハ、言えてる」

「……」

解ってる。
そんなの自分が一番……
たけど、そんな私にお金を払ってまで、したいと連絡してくる人はいる。
全く誰にも相手にされない訳じゃない。

今まで関わった事のない、派手な格好をした人達。別次元に生息する人種。
本能で拒絶し、手の指先が震える。だけど、その手に力を籠め、唇をきゅっと引き結ぶと、殆ど感覚の失った足を一歩前に出す。

大丈夫。
援交を始めた時より落ち着いてる。
……大丈夫。
祐輔くんの為なら、何だって出来る。
怖くない………


───ピルルル……!


突然。スマホがけたたましく鳴り響く。
その音に反応し、三人一斉に此方へと顔を向けた。

「……」

出鼻を挫かれたような気分。
スマホを取り出して画面を見れば、そこには『安藤先輩』の文字。
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